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ミッシェル・ブラス軽井沢

Bras Karuizawa Simone Cantafio
2020年7月オープン延期のお知らせ

ブラス軽井沢 シモーネ・カンタフィオは、大変残念ながら、世界的な新型コロナウィルス拡大の影響を受け、予定しておりました2020年7月22日のオープンを当面延期することを決定いたしました。この決定に伴い、4月20日を予定しておりました、ご予約受付につきましても、一旦中止とさせていただきます。

ブラス軽井沢 シモーネ・カンタフィオの開業を心待ちにしてくださっていた皆様や応援してくださっている軽井沢周辺の皆様には、大変申し訳なく、私たちも悲しい気持ちでいっぱいです。

オープンの正式な日程につきましては、状況を随時鑑み、改めて発表させていただきます。

一日も早く、世界に健康で明るい日々が戻りますよう、ブラスファミリー一同、お祈りいたします

ESPRIT

concept Sebastien & Michel ©BRAS KARUIZAWA

ラギオール、洞爺そして、軽井沢へ

ミシェル&セバスチャン・ブラス

日本でのレストラン出店の誘いを受けて洞爺湖を初めて訪れた私たちは、その美しさに心を打たれました。アクセスが良い訳でもなく、冬には厳しい環境になる当地ですが、空は果てしなく広がり、海、山、湖に囲まれた景観はいっぺんに私たちを魅了しました。

ブラスの料理とは、その土地を理解し、自然を中心に据えるところから始める。軽井沢において、ラギオールのメニューや食材をそのまま持ち込むことは考えていません。レストランの出店を軽井沢に決めるまで、京都、東京、神戸、と日本各地を訪れました。私たちがこだわったのは、東京からの利便性や集客のための立地ではありませんでした。自分たちが望む気候、土壌、自然があるのか、地元の食材はどうか、ブラスの料理を出すにふさわしい空気があるのか、といったことでした。そして、ようやく出会えた地、それが軽井沢です。自然の豊かさ、雑木林そして浅間山と広がる景観は、どこかしら本店のあるフランス・ラギオールに似ています。

地元生産者の皆様と共に歩み、地元の食材を最大限にいかした料理を提供するというスタンスは、軽井沢も変わりません。本店と同様に、レストラン敷地内に菜園を持ち、地元の食材を含めて約150種類余の野菜を自家栽培します。料理の前に食材がどのように育つのかをまず気にかけ、手間をかける、まるで農夫のように食材を慈しむ、これがブラスのエスプリです。

CUISINE

chef

©BRAS KARUIZAWA

シェフディレクター シモーネ・カンタフィオ

  • ブラス親子との出会いは、いまから十年ほど前に遡ります。当時二十三歳だった私は料理人としての成長を志して、フランス料理のトップレストランの一つ、メゾン・ブラスの門を叩きました。包丁一式をたずさえて、そこに一歩足を踏み入れた瞬間が、すべての始まりでした。

    広大なオーブラック高原をのぞむラギオールのレストランで学んだこと、それはレシピに止まらない、確固とした料理哲学と精神性でした。常に食材の本質を求める姿勢と、レストランに関わるあらゆる人々への敬意も、自ずと身につきました。皆が一丸となって支えるメゾンの日常は、私にとってかけがえのない学びの場となったのです。

    イタリア出身の私がなぜフランス料理を選んだのか、ブラス親子に聞かれることがあります。料理に国境などありません。情熱と愛情を込めて美味しい料理を作り、人々と幸せを分かち合い、人々に幸せをもたらす者はすべて、同じ料理人なのです。

    あらゆる芸術表現がそうであるように、料理には自由が不可欠です。日々の感情や記憶、出会いなどを自在に表現する方法として、私にとっての料理とは、人生そのもの。

    初めて出会ったその日から私を温かく迎え入れ、感性や価値観にも理解を示し、尊重してくれたブラス親子は、私にとってかけがえのない存在です。二人に教わったレシピ以上に、その独特な呼吸、心、そして生命の限りない美しさと、地球の尊い恵みへの畏敬の念を胸に、毎日を過ごしています。

    十八歳で料理人として歩み始めた頃と変わらない熱意を持ち、日々自分と向き合うことの大切さも、ブラス親子から教わりました。

    今日の洞爺湖、明日の軽井沢では、土地に絶えず耳を傾け、その魅力を見出すことに専念してゆきたいと思います。

    その土地の魅力をそのまま料理に昇華させ、お客様とともに分かち合えることを、願ってやみません。

  • 1986年イタリア ミラノ近郊のローで生まれる。ルーツは南イタリアのカラブリア州(ブーツのつま先の地域)。

    ミラノの調理学校を卒業し、2003年には、17歳でミラノの2つ星レストランで本格的なシェフとしてのキャリアをスタートする。2005年にはイタリアで初のミシュラン3つ星シェフとなったグアルティエーロ・マルケージに師事。2008年には渡仏し、3つ星のジョルジュ・ブランで腕を磨く。

    2010年、仏ラギオールのミシェル・ブラスに参加。ミシェル、セバスチャンから、料理は調理以前から、素材を育て、慈しみ、最上の状態で最高の仕上げをすることを学ぶ。

    2015年には早くも、初の本店以外のブラスレストラン『ミシェル・ブラストーヤ ジャポン』のシェフディレクターとして着任、自ら洞爺近郊および道内各地の生産者を訪ね、時期によって収穫が異なる農家を選択し、出来るだけ地産地消を目指す。

    2020年7月、ブラス軽井沢 シモーネ・カンタフィオは、ブラスファミリーがブラス以外の シェフの名前を冠した初めてのレストランとなる。自身、ブラスファミリーとして、2020年は節目の10年目を迎える。

MAISON

designer © J.C. Carbonne

隈研吾氏

(隈研吾建築都市設計事務所)

ミシェルさんとの最初の打ち合わせは今まで僕の経験した、数えきれない設計ミーティングの中でも最もユニークで忘れがたいものであった。ミシェルさんはこんな建築にしてほしいとか、面積はどのくらいほしいとか、席数はどれぐらいほしいとかいう話はいっさいせずに、かわりに、静かな口調でひとつの詩を朗読したのである。

『2つのプレート、飛躍、飛翔、大胆、流れる、外側に開く、植物、一つの息吹のように』といった言葉がメモ帳に残っている。が、それがどのような接続詞でつながれていたかは覚えていない。ただ彼の低い声のリズムの美しさが印象的であった。1000の文章よりも一つの詩のほうが、はるかに正確に、建築を建てる人間の気持ちが伝わるのだということを、僕はブラスさんから教わった。

もう一つ、ブラスさんで忘れられないのは最初に彼が料理した『ガルグイユ( Gargouillou )』という名前の一皿を食べた時のことである。この皿は彼の郷土の野菜料理から名前をとったという説明だった。よく似た言葉に建築用語の『ガルグイユ( Gargouille )』があり、屋根の樋の先端に付けられたパイプのような形の吐水口を指すので、僕は職業柄どうしてもそちらをイメージしてしまう。降った雨を縦樋に集めるのではなく、この『ガルグイユ( Gargouille )』から空中へと吐き出し、雨は無数の水滴となって大地に降り注ぐというディティールが、ヨーロッパのゴシック建築には多く見られる。不思議な形をした生物の口のようにデザインされたものが多く、その生き物が空に向かって水をはきだしたように見えて、なかなか壮観である。ブラスさんがたくさんの野菜を集めて作る料理を食べると、僕はその水滴の様子を思い出す。

『ガルグイユ』の語源をたどってみて少しその理由が分かった。『ガルグイユ』は水を口に含んでガラガラとうがいをするときの音から派生した単語だという説がある。日本でもヨーロッパでもその音はよく似た擬音語で表現され、それが吐水口や野菜料理へと変化していった。要するにそれは液体の音なのであり、液体は生物の中を流れ続け、液体によって支えられている生命自体の生きている証が、その音を通してわれわれに伝わってくるように僕は感じる。

ガルグイユからインスピレーションを得て、僕らがデザインした軽井沢のブラスさんのレストランの屋根には、たくさんの浅間山の溶岩がのっている。この地方の民家には屋根の板が飛ばされないように、この石を重しとして使っていたことも知った。雨が降って溶岩の隙間を水が流れる様子を僕は想像した。水はたぶん美しい音を立てながら、その溶岩の間を流れていくだろう。ガルグイユを流れる時と同じように。そして、あの野菜の葉脈の中を液体が流れる時と同じように。

ACCESS

〒389-0111 長野県北佐久群軽井沢町長倉2147-635

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